高血圧と卵の関係

栄養豊富でコストパフォーマンスにも優れた卵!気になる卵のコレステロールや高血圧とのつながりとは?

高血圧と卵の関係

卵は「機能性食品」、「完全栄養食品」と呼ばれるほど栄養価の高い食品です。

機能性食品とは生活習慣病などの予防や改善効果をもつ食品をさしており、完全栄養食品とは健康維持に必要な栄養を豊富に含んでいる食品をさしています。

もちろん卵だけ食べてれば健康になれるという意味ではありません。

日本は2013年の統計において1人当たりの年間の卵消費量は300個以上といわれ、世界第3位に位置するほど卵の消費量が多い国なのです。

そんな身近にあってコストパフォーマンスに優れた卵の健康効果とは?

卵は高血圧の改善に役立つ?

卵は機能性食品と呼ばれるくらいですからもちろん効果に期待できます。

しかし、卵は機能性食品として優れた食品というイメージよりも、食べすぎによるちょっと悪いイメージのほうが根強い感じで、1日に何個まで?なんてことを気にされがちです。

まずはそんな卵のマイナスイメージを払拭しようと思います。

卵は1日何個まで?

「卵は1日1個まで?」という質問がよくありますが、過去に行われた間違った実験結果が広まり、それが今でも根強く浸透してしまっているといわれています。

近年行われた実験において、卵を1日3個、2週間食べてコレステロール値を計測したところ、数値の上昇は見られなかったという報告があります。

このときの研究において過去の研究の誤りも明らかにされており、健康な人であれば卵を1日に3個程度食べることは問題ないという研究報告でした。

卵を摂取してもコレステロール値が上昇しなかったのは、卵に含まれる「卵黄レシチン」や体内のコレステロールを調節する機能が関係しています。

体内で行われる「コレステロールの調節機能」とは以下の通りです。

コレステロールを調節する機能とは?

人は体内の機能によってコレステロールが一定になるよう管理されています。

健康な人であればちょっと多めにコレステロールを摂取しても、この機能によってコレステロールが一定以上にならないように調節されているのです。

しかし、コレステロール値の高い人はこの調節機能が低下し、コレステロールを過剰に摂取するほど体内に蓄積しやすい状態へとなってしまいます。

コレステロールの数値がすでに高い人が、コレステロールの過剰摂取を避けたほうがいいのはこのためであり、また、日本人の3割程度はコレステロール値が上昇しやすいといわれています。

つまり、体内の調節機能によりコレステロールはそんなに気にしなくていいように思えますが、結局のところ、過剰に摂取すれば調節する機能が低下するためコレステロールの摂取量には注意しなければいけないということになります。

卵と高血圧のつながりについて

高血圧は酸化したLDLコレステロールが大きく関係してきます。

健康な人であれば1日3個食べてもコレステロールが上昇しないことから、卵がもつ作用により高血圧を予防する効果に期待できると思います。

しかし、すでに高血圧を患っている場合は別になります。

高血圧を発症する多くの原因になるのは生活習慣の乱れといわれています。食事による脂質の過剰摂取、または運動不足による脂質の消費不足などが考えられ、すでにコレステロールオーバーになっている可能性があるからです。

体内のコレステロール調節機能を超えるコレステロールの摂取は好ましくありません。

自身の生活習慣を見直してコレステロール値を把握することが大切になります。

高血圧に有効な卵の成分

高血圧に有効な卵の成分

前の項目でも触れたように卵は食生活全体の栄養バランスを考えたうえで摂取できれば、機能性食品と呼ばれるに相応しい高血圧の予防作用をもっています。

その卵に含まれた高血圧に有効な成分とは?

卵黄レシチンの抗動脈硬化作用

高血圧に有効な働きをもった成分のひとつが「卵黄レシチン」になります。

レシチンはリン脂質の一種で卵黄に含まれるレシチンを卵黄レシチンと呼びます。レシチンそのものはあらゆる動植物の細胞に存在する栄養素といわれています。

レシチンには「乳化作用」という特別な作用があります。本来、水分と脂肪分は混ざり合わない性質をもっていますが、レシチンの乳化作用によってこれを混ぜ合わせる働きがあるのです。

この乳化作用が体内でみせる働きとは?

それは、この効果によって血液中や血管壁に沈着したLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を、レシチンの作用によって分解、排出することができるのです。

これにより高血圧によって進行しやすい動脈硬化を予防することに役立ちます。また、肝臓に働きかけてHDLコレステロール(善玉コレステロール)を増加させる作用もあります。

レシチンは体内でも生成されていますが、加齢とともにその生成量は低下していくため、卵などの食品からレシチンを摂取することが大切なのです。

レシチンは納豆や豆腐などの大豆食品にもたくさん含まれています。

卵白ペプチドの効果

「ペプチド」とはたんぱく質とアミノ酸の中間の性質をもつ物質のことをいいます。

ペプチドのなかでも有名なものが大豆に含まれる「大豆ペプチド」で、卵白に含まれるペプチドは「卵白ペプチド」と呼びます。

ペプチドは体内の血圧上昇システムに作用して血圧の上昇を抑制する働きがあります。(もうちょっと詳しい説明は次の項目で。)

ちなみに、この働きは降圧剤のなかでも「ACE阻害薬」と同様の作用になります。

もちろん降圧剤ほどの強い効果はありませんが、降圧剤で生じるような副作用の心配がないため、天然の降圧作用として安心して摂取することができます。

卵黄に含まれるレシチンや卵白に含まれるペプチドなど、卵は黄身にも白身にも血圧を改善するのに効果のある成分が含まれているというわけです。

卵白ペプチドの血圧上昇を抑制する作用

体内では血圧を調節して一定の血流を維持する働きがあります。

体内の血圧上昇システムにはホルモンが関係しており、そのシステムを「レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系」と呼びます。

ペプチドはこのなかでもアンジオテンシンというホルモンに関係してきます。

アンジオテンシンはⅠ~Ⅳまであり、最も強い血圧上昇作用をもつのが「アンジオテンシンⅡ」と呼ばれるホルモンで、このアンジオテンシンⅡは変換酵素の働きによってアンジオテンシンⅠから生成されます。

ペプチドはこの一連の流れのなかで変換酵素の働きを阻害し、アンジオテンシンⅡの生成を抑制する働きがあるというわけです。

良質なたんぱく質が血管機能を改善

良質なたんぱく質

血管をつくるのに欠かせない栄養素がたんぱく質です。

たんぱく質の不足は血管を弱らせ高血圧のリスクを高めたり、脳卒中や心筋梗塞などの血管障害に関係する病気のリスクを高めてしまうのです。

つまり、血管の正常な機能を維持するためには欠かせない栄養素なのです。

卵に含まれるたんぱく質は良質なたんぱく質といわれ、良質とは体を構成するたんぱく質と構造が近いことを意味しており、効率の良い合成ができることをいいます。

卵のアミノ酸スコアは100点満点中100点と優れたたんぱく質を含んでいるのです。

たんぱく質の摂取不足に注意!

たんぱく質は肉類に多く含まれますが、卵、魚類、大豆食品など多くの食品に含まれており、通常であれば不足することのない栄養素といわれています。

しかし、健康志向の高まりから肉類の摂取を避けるあまり、たんぱく質不足を招く高齢者の人が増えているという話もあります。

脂質の多い肉類の過剰摂取は中性脂肪やコレステロール値の上昇につながるためすすめられませんが、極端な制限によるたんぱく質の摂取不足にも注意する必要があります。

卵には老化予防の抗酸化作用も!

抗酸化作用とは活性酸素による体内の老化を予防する作用です。

卵に含まれる抗酸化物質はビタミンE、カロテノイド(カロテン、キサントフィル)、メチオニン(必須アミノ酸の一種)で、血管の老化を予防して正常な機能を維持するのに役立ちます。

血管の老化が進行すれば血圧を調節する機能は低下、高血圧を発症するリスクが高まるため、抗酸化はたんぱく質の摂取と同様に血管の正常機能に欠かせない栄養素といえます。

コレステロールの酸化も予防!

抗酸化作用はLDLコレステロールの酸化も予防してくれます。

LDLコレステロールは悪玉コレステロールと呼ばれイメージはあまり良くありませんが、生命活動に欠かせないコレステロールを全身へ運ぶという重要な役割をもっています。

LDLコレステロールが本当の意味での悪玉になるのは酸化したときで、活性酸素によって酸化LDLコレステロールになると血管壁にプラークを形成する要因となり、動脈硬化を進行させて血圧をより高くする原因となるのです。

コレステロール(特にLDLコレステロール)の過剰摂取に注意することはもちろんですが、それと同じくらい体内の酸化を予防する抗酸化物質の摂取も大切なことなのです。

抗酸化作用をもつ物質は卵のほかにも野菜や果物などにも多く含まれているため、野菜なども含めてバランス良く食べるということは体内の抗酸化にもつながるのです。

納得の検証結果がおすすめの理由!

リケン(理研ビタミン株式会社)のヘルスケア事業部長、農学博士の仲野隆久先生によると、収縮期血圧140~160mmHg、拡張期血圧90~100mmHg程度の18名を対象に「わかめペプチド」を8週間にわたり1日1個のペースで食べてもらった結果、約2週間目から血圧が安定し始めることが認められています。