高血圧とは?

全身のあらゆる血管に大きな負担をかける「高血圧」。高血圧は脳卒中や心臓病などの命に関る病気の大きな要因に。血圧を管理して高血圧によるリスクを回避しよう。

高血圧とは?

高血圧とは?

血圧の基準値が慢性的に正常値の範囲を超えている状態のことで、運動や精神状態による一時的なものは含まれません。

高血圧になると高い圧力によって血管に負担がかかり、血管を傷つけたり、柔軟性を失うことで血管が硬くなったりして動脈硬化を発症するリスクが高くなります。高血圧を要因として動脈硬化が進行すると、脳卒中や心臓病などの命に関わる重篤な病気の発症リスクを高めてしまうため注意が必要となるのです。

高血圧は高齢者に多い病気と思われがちですが、生活習慣と密接な関係があり、乱れた生活習慣をおくっていると中年層や若年層でも発症するリスクが高くなり、実際にその年代での患者数が増加傾向にあるので注意が必要です。

高血圧はサイレントキラー

サイレントキラーとは「静かな殺し屋」の意味で、特定の自覚症状がないまま症状が進行し、命に関わる重篤な合併症を発症する病気のことです。

高血圧は初期から重症化に至るまで自覚症状を感じることが少ないのが特徴で、高血圧で症状を自覚した時は、高血圧によって発症した合併症(脳卒中、心臓病など)による症状の場合が多いのです。それゆえに高血圧はサイレントキラーと呼ばれおそれられているのです。

高血圧の患者数は年々増加傾向

年々減少傾向にある日本の人口数約1億2,000万人の内、高血圧の推定患者数は4,000万人といわれています。実際に治療を受けている患者数は、この推定患者数の2割程度の800万人程度しかいないということがわかっています。数値の割合から考えると3人に1人が高血圧であるという結果になります。

高血圧の治療をしている患者数
2011年 906万人
2008年 796万人
2005年 781万人

※ 厚生労働省「患者調査」より

高血圧性疾患の年間医療費
2012年 1兆8,740億円
2011年 1兆9,082億円
2010年 1兆8,830億円

※ 厚生労働省「国民医療費の概況」より

高血圧は死因の大きな要因

生活習慣病の中で最も患者数が多いといわれている高血圧。2014年の死因の統計結果では1位がん、2位心疾患、3位肺炎、4位脳血管疾患となっており、2位の心疾患と4位の脳血管疾患の大きな要因となっているのが高血圧なのです。

圧倒的に多いと思われがちながんの死亡者数は、全体の割合から見ると約30%を占めていますが、高血圧が要因と考えられている心疾患と脳血管疾患を合わせると約24%にまで達しています。高血圧はこれほどまでに見過ごしてはならない大きな病気の要因となっているのです。

脳血管疾患は脳動脈に起こる病気の病気の総称であり、代表的なものに脳卒中があります。これらの病気のリスクを低下させるためにも、血圧を下げる方法を参考に日常的に血圧管理を行い、血圧をコントロールすることが大切なのです。また、日常的に血圧管理を行っておけば初期症状に乏しい高血圧であっても、血圧の下だけが高くなる傾向にあり、これを発見することができるメリットがあります。

高血圧の診断基準値とは?

高血圧を診断する基準値は、主に収縮期血圧と拡張期血圧の数値によって判断します。

血圧分類 収縮期血圧 拡張期血圧
至適血圧 ~119 ~79
正常値 120~129 80~84
正常高値 130~139 85~89
Ⅰ度高血圧 140~159 90~99
Ⅱ度高血圧 160~179 100~109
Ⅲ度高血圧 180~ 110~

高血圧と診断される基準値は慢性的に140/90mmHg以上の高い血圧の状態です。

高血圧の診断は収縮期血圧と拡張期血圧の両方が基準値以上という意味ではなく、どちらか一方が基準値以上であれば、その項目の高血圧に該当します。例えば収縮期血圧が正常高値の130mmHgだったとしても拡張期血圧が90mmHgであれば、Ⅰ度高血圧ということになります。

このようにして高血圧は血圧の基準値によって段階的に高血圧の状態を区分しています。高くなれば高くなるほど高血圧は様々な病気のリスクを高めるので、日常的に数値を管理し、病気のリスクを低下させる意識を持つことが必要となります。

また、高血圧は動脈硬化を促進させ、脳卒中や心臓病のリスクを高めるため、日本高血圧学会の治療ガイドラインにおいてもそのリスクが階層化されています。

リスク階層 Ⅰ度高血圧 Ⅱ度高血圧 Ⅲ度高血圧
リスク第一層※1 低リスク 中リスク 高リスク
リスク第二層※2 中リスク 高リスク 高リスク
リスク第三層※3 高リスク 高リスク 高リスク

※ 日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」。※1 予後影響因子なし。※2 糖尿病以外、1~2個の危険因子、3項目満たすメタボリックシンドロームのいずれかに該当。※3 糖尿病、腎臓病、臓器障害/心血管病、4項目満たすメタボリックシンドローム、3個以上の危険因子のいずれかに該当。

高血圧の症状

高血圧は自覚症状がほとんどないといわれています。しかし、症状を発症するかどうかは個人差によることが大きく、重症化した高血圧でも特に症状を感じない人もいれば、軽度の高血圧でも自覚症状を感じることがあるといわれています。

しかも、高血圧には特有の症状がないため、普段から血圧管理をしていない限り、症状から高血圧と診断することは難しいでしょう。高血圧での症状には頭痛、めまい、鼻血、ほてり、吐き気、むくみ、しびれなどがあります。

また、注意しなければいけないのは、高血圧は脳や心臓などあらゆる箇所で重大な病気を発症するリスクが高く、自覚症状はそれらの病気の発症後、その病気からの症状である場合も考えられるということです。

高血圧の原因

高血圧は一次性高血圧と二次性高血圧の2つに分類されます。一次性高血圧は本態性高血圧とも呼ばれ、高血圧で悩む方の約90%がこれに該当するといわれています。

遺伝因子や環境因子が原因とされていますが、原因の詳細はいまだ研究中であり詳細は分かっていません。様々な検査を行っても原因が解明できないときに一次性高血圧と診断されます。

二次性高血圧は高血圧の方の約10%が該当し、糖尿病、腎臓病などの病気や、副腎ステロイド、経口避妊薬などの薬剤というように、特定の原因によって発症しています。原因となる病気の治療や、薬剤の服用を停止するなどすれば高血圧を改善できます。

一次性高血圧は遺伝因子という避け難い原因も含んでいますが、大きな危険因子は何より生活習慣であるといえます。高血圧である両親から遺伝を受け継いでも、生活習慣さえしっかり気を付けていれば、高血圧を発症しないことも可能なのです。

高血圧の遺伝リスク
両親共に高血圧でない場合約5%
片親のみ高血圧である場合約30%
両親共に高血圧である場合約50%
高血圧を発症する生活習慣
塩分やコレステロールなどの多い食事
アルコールやタバコの喫煙などの習慣
運動不足や肥満などによる血流の低下
睡眠不足やストレスによる自律神経の乱れ

高血圧による合併症の危険性

血圧の数値が正常値を超えると様々な病気のリスクが高まります。高血圧は高血圧そのものの症状よりも、高血圧によって様々な合併症を引き起こすリスクが高まり、その合併症に致死性の高い病気が存在するため改善したほうがよいとされているのです。

血圧が高いことによって最も引き起こされやすい病気が動脈硬化です。動脈硬化は全身に血液を供給する動脈の柔軟性が失われ機能低下することにより、全身のあらゆる血管で様々病気の要因となる病気なのです。

高血圧による合併症
脳の合併症・・・脳梗塞、脳出血、くも膜下出血、認知症
心臓の合併症・・・心筋梗塞、心不全、心肥大、狭心症
腎臓の合併症・・・蛋白尿、慢性腎臓病、腎不全
大動脈の合併症・・・動脈硬化、大動脈解離、大動脈瘤、末梢動脈疾患
眼の合併症・・・眼底出血、網膜静脈閉塞症、高血圧性網膜症
糖尿病、肺高血圧症、EDなど

高血圧の予防対策

血圧が正常値を越える人の多くは生活習慣を要因としています。

生活習慣とは日々の日常生活において習慣化していることで、例えば食事や運動、睡眠、タバコの喫煙や飲酒などのことを指しており、これらが血圧を高くする原因となっているのです。

血圧を高くする原因
食事での塩分やコレステロールの過剰摂取
飲酒習慣による血管の収縮、交感神経の活性、ミネラルの排出など
喫煙習慣による血管の収縮、交感神経の活性、動脈硬化の促進など
肥満や運動不足による血液循環の低下
睡眠不足による交感神経の活性、肥満の要因など
ストレスによる血管の収縮、交感神経の活性など

多くの現代人はこの生活習慣が乱れており、そのことを要因とした生活習慣病の患者数が増加傾向にあるのです。高血圧もその生活習慣病のひとつであり、代表的なものには他に糖尿病や脂質異常症(高脂血症)などがあります。

・・・高血圧の怖いところはサイレントキラーと呼ばれ、ほとんど症状のないまま進行し、突然死の要因となる脳卒中や心臓病の発症リスクを高めてしまうことにあります。これらの病気は発症してからでは、取り返しのできない大きな事態を招く可能性が大きいです。

多くの場合、血圧の下が高い数値を表示するようになると、高血圧の初期段階だといわれています。この段階で発見することはあまり多くはないかもしれませんが、この数値の変動には注意しておきましょう。また、高血圧が重症化してからの頭痛は大きな病気のサインとなるので注意しておきましょう。

乱れた生活習慣を見直し、血圧を下げる方法を参考に、血圧をなるべく正常値に近づけるよう健康管理を心掛けるようにしましょう。

高血圧の薬とは?

高血圧を改善するための方法には、「降圧剤(降圧薬、血圧降下薬)」という薬を利用する方法もあります。

しかし、降圧剤は高血圧を治療するための薬ではなく、血圧を一時的に下げることを目的とした薬であり、副作用もあるため使用するには注意が必要な面もあります。

降圧剤は副作用というデメリットなイメージが根強いですが、高血圧による危険な状態を回避するために欠かせない薬でもあります。

納得の検証結果がおすすめの理由!

リケン(理研ビタミン株式会社)のヘルスケア事業部長、農学博士の仲野隆久先生によると、収縮期血圧140~160mmHg、拡張期血圧90~100mmHg程度の18名を対象に「わかめペプチド」を8週間にわたり1日1個のペースで食べてもらった結果、約2週間目から血圧が安定し始めることが認められています。