各年齢で気になる血圧の平均値とは?参考までに血圧の平均値を確認してみよう!データから明らかになる血圧の平均値の傾向とは?
毎年発表されている厚生労働省の「国民健康・栄養調査」の報告書に、血圧の平均値に関するデータが記載されています。
それによると2013年の血圧平均値は男性で135.3mmHg、女性で129.5mHgとなっています。その1年前である2012年では男性で134.6mmHg、女性で127.3mmHgとなっており、さらにその前である2011年では男性で135.0mmHg、女性で128.0mmHgとなっています。
健康志向の高まりが世間で注目されていますが、血圧の平均値は大きく見るとほぼ横ばいの傾向となっているようです。
このデータを参考に各年齢別の一覧表を作成していますので参考にしてみましょう。
年齢別の血圧平均値とは?
血圧の平均値は厚生労働省が毎年発表してる「国民健康・栄養調査」の報告書に記載されており、インターネットを利用できればいつでも確認できるようになっています。
「国民健康・栄養調査」は、国民の健康や栄養状態を明らかにして、総合的な推進をはかるための資料とされています。
これもまたひとつの健康指標とすることができますので、血圧管理のための参考資料としてみるのもありかと思います。
ここ数年の血圧平均値(収縮期血圧)をまとめたのが以下の一覧です。
年齢別血圧平均値(降圧剤の服用者含む)、2013年「国民健康・栄養調査」より。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20代 | 119.9/74.1mmHg | 108.2/66.8mmHg |
30代 | 121.7/78.0mmHg | 111.6/70.9mmHg |
40代 | 126.1/82.8mmHg | 119.1/76.4mmHg |
50代 | 134.9/86.9mmHg | 126.5/79.6mmHg |
60代 | 138.1/84.0mmHg | 137.1/81.6mmHg |
70代 | 141.5/79.9mmHg | 140.1/78.4mmHg |
年齢別血圧平均値(降圧剤の服用者を除外)、2013年「国民健康・栄養調査」より。
年齢 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
20代 | 119.8/74.0mmHg | 108.2/66.8mmHg |
30代 | 121.5/78.2mmHg | 111.4/70.7mmHg |
40代 | 124.7/82.0mmHg | 118.6/76.0mmHg |
50代 | 133.8/86.8mmHg | 124.5/78.9mmHg |
60代 | 137.6/84.1mmHg | 135.2/81.2mmHg |
70代 | 138.6/80.6mmHg | 138.2/79.4mmHg |
降圧剤の服用者を含むデータでは、50代と60代の平均値だけで「正常高値血圧(高血圧の予備軍、130~139mmHg)」に該当していることになり、70代の平均値では「Ⅰ度高血圧(140~159mmHg)」で高血圧に該当することになります。
女性は男性よりも平均値は低いですが、50代や60代から一気に平均値が高まり、男性と同じく70代では高血圧に該当してしまうほどに平均値が高くなっています。
また、健康志向の高まりが世間で注目されていますが、年度別の血圧平均値は大きく見るとほぼ横ばいの傾向となっています。
血圧平均値 | 男性 | 女性 |
---|---|---|
2010年 | 135.9mmHg | 129.2mmHg |
2011年 | 135.7mmHg | 128.6mmHg |
2012年 | 134.6mmHg | 127.3mmHg |
2013年 | 135.3mmHg | 129.5mmHg |
2014年 | 135.3mmHg | 128.7mmHg |
日本高血圧学会の「高血圧治療ガイドライン2014」では、「国民の収縮期血圧の平均値を4mmHg低下することで、脳卒中死亡数が年間約1万人、冠動脈疾患死亡数が年間約5,000人減少すると推計される。」と掲載されています。
あくまで統計的な推計であり、これがそのまま個人に当てはまるものではありませんが、血圧コントロールによる死亡率の低下と重要性が伝わる数値だと思います。
30代の血圧平均値について
30代の血圧平均値は男性121/78mmHg、女性111/70mmHgでその差は10/8mmHg。
30代の血圧平均値からも分かるように、まだ高血圧の発症率はそれほど高くない年代です。しかし、食事、運動、ストレスなど生活習慣の大きな変化や影響により徐々に高血圧は低年齢化している傾向にあるため油断はできません。
性別で見ると女性の方が血圧の平均値が約10mmHg低いですね。基本的に女性は女性ホルモンの働きにより男性よりも血圧が低い傾向にあります。
女性ホルモンには血管を拡張する作用があり、女性ホルモンの分泌が活発な年代ではまだ血圧のコントロールが難しくないため、数値的にもそれがあらわれているのだと考えられます。
男性は仕事によるストレスや生活習慣の乱れ、運動不足による肥満などが要因となって、高血圧を発症するリスクが高まるため注意するようにしましょう。
若年性高血圧に注意!
年齢が35歳以下で血圧数値が140/90mmHg以上の状態を「若年性高血圧」といいます。
以前は別の病気によって発症することが多かった症状ですが、近年では中年層と同じく生活習慣を要因として発症するケースが多くなっているため注意が必要です。
また、高血圧を発症する年齢が若いほど寿命が短くなりやすいというデータもあるため、なるべく早いうちから血圧管理を始めることがすすめられます。
妊娠高血圧症候群の危険性
近年では平均出産年齢が上昇しており30代での出産も多くなりました。
妊娠高血圧症候群の原因が完全に解明されたわけではありませんが、生活習慣の乱れや年齢が高まるほどリスクが高まるので注意が必要です。
妊婦の高血圧は母体や胎児に危険をともなうため血圧のコントロールは重要です。
40代の血圧平均値について
40代の血圧平均値は男性126/82mmHg、女性119/76mmHgでその差は7/6mmHg。
男性は40代で30代の約2倍ほど高血圧のリスク高まるといわれています。
現に、30代と40代の血圧平均値の差は約4mmHgですが、40代と50代の血圧平均値の差は約9mmHgと急激に平均値が高まっています。
責任とストレスの高まり
男性が40代になってから高血圧の発症リスクが高まるのは、30代と同様、仕事による生活習慣の乱れが要因と考えられますが、より責任感のある仕事やさらなる長時間労働、プレッシャーなどが血圧の平均値を高める要因となるようです。
40代の肥満には注意が必要?
また、中高年に増加しやすい肥満も高血圧のリスクを高めます。
男性に多い内臓脂肪型の肥満は女性に多い皮下脂肪型の肥満よりも高血圧のリスクを高めることがわかっています。
内臓脂肪から体内の血圧上昇システムを活性させる物質が分泌され、肥満の進行、内臓脂肪が増加するほど血圧が上昇しやすくなるといわれています。
50代の血圧平均値について
50代の血圧平均値は男性134/86mmHg、女性126/79mmHgでその差は8/7mmHg。
この年代では特に女性の数値が大きく変動し、女性の50代では40代と比較すると、約2倍ほど高血圧を発症するリスクが高まるといわれています。
血圧平均値を見ても50代と60代の血圧平均値の上昇は約10mmHgと、この年代において血圧平均値が大きく上昇することが分かると思います。
女性ホルモンの分泌量が低下
女性の血圧平均値が一気に上昇する原因となるのが閉経で、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」の分泌量が減少することで血圧平均値に影響します。
女性ホルモンの分泌量が減少することは高血圧を招くだけでなく、ホルモンバランスの乱れから「更年期障害」、骨密度の低下により骨折しやすくなる「骨粗鬆症」などを発症するリスクも高まるため注意が必要となります。
60代の血圧平均値について
60代の血圧平均値は男性138/84mmHg、女性137/81mmHgでその差は1/3mmHg。
60代では男性も女性もほとんど近い数値で、血圧平均値だけでも高血圧の予備軍である正常高値血圧に該当する状態となっています。
高血圧は循環器系疾患(脳卒中や心筋梗塞など)のリスクを高める症状のひとつですが、調査データにより特に60代から発症リスクが高まることが報告されています。
また、別の調査データにおいても65歳以上から高血圧を要因とした循環器系死亡リスクが有意に高まるという結果も明らかにされています。
血圧が高まるほど高齢になってからの血管には大きな負担になることが考えられます。
60代になると特にこれまでの生活習慣の影響が出てくるため、若いからと油断せずになるべく早い段階から生活習慣の見直しや改善を行うことがすすめられます。
血圧の平均値が下がらない理由とは?
健康志向の高まりから塩分の摂取量は年々減少傾向にあります。しかし、血圧の平均値は年々多少上下しているものの、大きく見るとほぼ横ばいの傾向だといえます。
血圧の平均値は何故減少しないのでしょうか?
血圧を高めるほとんどの要因は生活習慣といわれており、生活習慣には食事、飲酒、喫煙、睡眠、運動、ストレスなどが関係しています。
そのうち食事に該当する塩分摂取量を減少させても、ほかの統計データからもわかるように、野菜、魚、ミネラル(カリウムなど)の摂取量が年々減少、運動量の減少により肥満の人が年々増加傾向、慢性的なストレスの増大など、血圧の平均値を高める要因が多くなっていることが原因と考えられます。
その名のとおりわかめから抽出されたアミノ酸の集合体が「わかめペプチド」で、わかめペプチドには血圧を上昇させる「ACE(アンジオテンシン変換酵素)」の働きを阻害する作用があります。
(※ ACEの阻害作用は医薬品にも用いられている方法です。)
「ふえるわかめちゃん」などでお馴染みの食品メーカー「理研ビタミン株式会社」のヘルスケア事業部長、農学博士の仲野隆久先生によると、収縮期血圧140~160mmHg、拡張期血圧90~100mmHg程度の18名を対象に「わかめペプチド」を8週間にわたり1日1個のペースで食べてもらった結果、約2週間目から血圧が安定し始めることが確認されています。