夜間高血圧とは?

自宅での計測や病院での診断で発見が難しい夜間高血圧!様々な高血圧のタイプの中で、最も体への負担が大きく病気の発症リスクも高い!?

夜間高血圧とは?

通常、血圧が正常値の人でも1日の中で立ったり座ったりなどのちょっとした行動や感情の変化などによって血圧は変動し、1日の中で最も血圧が低く安定するのは夜間です。

夜間は体を休めるため自律神経によって副交感神経が優位になり、心拍数や血流を抑制することで心臓や血管が休息できる時間をつくっているのです。

夜間高血圧は夜間の時間帯においても血圧が下がらず高血圧の状態が続き、体が十分に休めないことにより合併症のリスクが高まるため危険視されているのです。

夜間高血圧の特徴

夜間高血圧には2つのタイプがあり、「夜間昇圧型」と「夜間非降圧型」とそれぞれ呼ばれています。夜間昇圧型は本来血圧が下がる夜になっても、昼間のようにもしくは昼間よりも血圧が高くなる状態をいいます。

夜間非降圧型はノンディッパー型とも呼ばれており、通常血圧が下がるはずの夜になっても血圧が下がらない状態で、昼間の血圧と比べても血圧の低下が10%未満しかない状態をいいます。

夜間高血圧は仮面高血圧の一種であり、仮面高血圧はいずれのタイプにおいても慢性的な高血圧よりもリスクが高いことが調査により報告されています。

夜間高血圧の原因

夜間高血圧の原因として考えられているのは睡眠時無呼吸症候群、自律神経失調症、腎臓病などの生活習慣病と関係の深い病気が多いといわれています。

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群は睡眠時に呼吸が停止する症状で、現代人ではストレスなどの様々な要因により増加傾向にある症状のひとつです。

呼吸の再開時に交感神経が活性されることで血圧上昇が起こるといわれれ、睡眠の質の低下による睡眠不足を招く原因となります。

これにより夜間高血圧の発症、動脈硬化の進行、脳卒中や心筋梗塞のリスクを高めることが明らかにされていますが、睡眠時無呼吸症候群そのものの症状でも脳卒中、心臓病、糖尿病などのリスクが高くなることも認められているため注意が必要となるのです。

自律神経失調症

自律神経とは交感神経と副交感神経の2つから成り立っており、自律神経失調症は交感神経と副交感神経の切り替えが正常に行われない状態をいいます。

通常であれば自律神経の働きによって夜間は交感神経の働きが抑制され、副交感神経が優位となり血圧が低下するのですが、自律神経が乱れると夜間になってもこの働きが正常に機能せず、血圧が低下しない、もしくは血圧が上昇するといった夜間高血圧へと進行してしまうのです。

自律神経失調症は慢性的なストレスやうつ病などの精神的疾患が原因となっており、慢性的なストレスは夜間高血圧の危険因子でもあるため、この2つの症状には深いつながりがあるのです。

自律神経のバランスはセロトニンという物質によって調節されています。

セロトニンは納豆や魚(特に赤身の魚)などに含まれるトリプトファンを摂取することによって生成され、トリプトファンの摂取量が不足することも自律神経失調症を招く要因となります。

また、セロトニンは睡眠ホルモンである「メラトニン」という物質の生成にも関係しており、セロトニンが不足することはメラトニンの不足を招き、自律神経失調症や夜間高血圧のリスクを高める要因につながっていくのです。

腎臓病

腎臓の疾患により老廃物を濾過する機能が低下することも原因のひとつになります。

これは、腎臓に直接の疾患が発症することも腎臓病の原因となりますが、高血圧の症状が進行することも原因のひとつとして考えられています。

腎臓で濾過を行う器官は糸球体と呼ばれ毛細血管が集中しています。高血圧の症状が進行するほど、糸球体の毛細血管は高い血圧による負担の影響を受けやすく、濾過機能を低下させる原因になるのです。

濾過機能が低下して老廃物の排泄が行われないことは命の危険につながります。

そのため、腎臓は濾過機能を正常に機能させるため血圧を上昇させるホルモンを分泌、血圧を上昇させることによって腎臓の機能を正常化しようと働きます。

これによって起こる症状のひとつが夜間高血圧となるのです。

夜間高血圧の症状

高血圧そのもので感じる自覚症状は少なく、まれに頭重感、頭痛、めまいなどを感じることはありますが、高血圧とは関係のない症状、もしくは高血圧による合併症によって症状が出ることが多いとされています。

高血圧の症状が大きく進行している場合は脳梗塞や脳出血を突然発症し、激しい頭痛やめまいなどを感じるためこうした症状は軽視することのできない症状となります。

不眠による負の連鎖

夜間高血圧はいずれの原因においても、睡眠時に体が十分に休息できない状態となるため、睡眠の質が低下し睡眠不足になりやすいのです。

睡眠不足はあらゆる病気の原因といわれるほど注意が必要な危険因子であり、高血圧の症状を進行させるリスクも高くなります。

夜間高血圧において感じる頭重感や頭痛は睡眠不足によって発症している場合もあります。原因を特定するためには夜間での家庭血圧の測定がすすめられます。

脳卒中や心臓病のリスクが高い

夜間高血圧は心血管疾患のリスクを高めることが明らかにされています。

心血管疾患とは心臓や血管などの循環器系に発症する疾患をさしており、代表的なものとして脳卒中(脳梗塞、脳出血など)や心臓病(心筋梗塞や狭心症など)なども含まれます。

夜間高血圧になると、通常であれば休息できるはずの夜にまで血圧が高い状態が続き、血管にかかる負担が増大するために心血管疾患のリスクが高まると考えられています。

調査では脳梗塞のリスクは約4倍、心筋梗塞や狭心症では約6倍もリスクを高めるという結果も報告されており、リスクの高さを考えると注意が必要な症状であることがわかります。

夜間高血圧は死因にも関与?

厚生労働省が発表する「2014年人口動態統計の年間推計」によると、日本人の死因の第1位はがん(悪性新生物)、第2位は心疾患、第3位は肺炎、第4位は脳血管疾患となっています。

夜間高血圧は心疾患と脳血管疾患のリスクに関与しており、循環器系の疾患として統合して死亡者数を割合で考えると、がんは約29%となり心血管疾患は約24%となるのです。

がんでの死亡者数は多いですが、こうしてみると心血管疾患での死亡者数もそれに迫る数値となることが明らかになります。

心血管疾患の要因には高血圧が大きな要因となります。

もちろん心血管疾患の全てに高血圧が関係しているわけではありませんが、無視することのできない調査結果であることも間違いないと思います。

夜間高血圧の対策

夜間高血圧の対策には家庭血圧の測定がまず重要です。睡眠の質の低下や睡眠時の呼吸停止など、それだけでは夜間高血圧と診断することは難しいため、夜間の血圧の数値を測定し、夜間高血圧に該当するかどうかを確認する必要があります。

高血圧の診断基準は140/90mmHg以上であれば高血圧と診断されますが、夜間高血圧の診断基準は120/70mmHg以上であり、本来低いはずの血圧がこれ以上高いとリスクの可能性が生じるのです。

夜間高血圧だと診断できれば、その時間帯に血圧が上昇する危険因子をなるべく排除したり、医師に相談して降圧剤を処方してもらうなどの対策を行うことができます。

過体重や肥満の改善

夜間高血圧も慢性的な高血圧と同様に生活習慣の乱れによって症状が進行しますが、最も大きな原因は過体重や肥満だといわれており、また、肥満は夜間高血圧だけに限らず睡眠時無呼吸症候群を発症する原因でもあります。

肥満はほかにも糖尿病、脂質異常症とも関連性が高く、これらの病気を発症すると高血圧を併発する可能性も高くなることが分かっており、肥満は様々な面で夜間高血圧や慢性的な高血圧のリスクを高める危険因子なのです。

入浴方法の改善

夜間高血圧の対策としておすすめな方法のひとつが入浴方法の改善です。

まず就寝する1~2時間前に入浴をすませると体温が下がりだし、眠りにつきやすい状態になるといわれているので、就寝の1~2時間前を見計らって入浴するようにしましょう。

そのときお風呂の温度が高いと血圧を上昇させてしまうので、ぬるめのお風呂にゆっくりと使って血管を拡張させましょう。これで血圧を安定させて睡眠しやすい状態にすることができます。

納得の検証結果がおすすめの理由!

リケン(理研ビタミン株式会社)のヘルスケア事業部長、農学博士の仲野隆久先生によると、収縮期血圧140~160mmHg、拡張期血圧90~100mmHg程度の18名を対象に「わかめペプチド」を8週間にわたり1日1個のペースで食べてもらった結果、約2週間目から血圧が安定し始めることが認められています。