健康の指標!血圧の正常値とは?

血圧の正常値を知ることこそが高血圧対策の第一歩!高血圧と同様の危険因子をもつ他の病気を予防するためにも、自身の血圧値を把握して高血圧のリスクを回避しよう!

血圧の正常値

血圧の正常値は病院での診察室血圧が「140/90mmHg未満」です。

この血圧の正常値は日本高血圧学会により作成された「高血圧治療ガイドライン2014」に記載されており、1999年にWHO(世界保健機関)とISH(国際高血圧学会)によって発表された世界基準と同じ数値になっています。

140/90mmHg以上は血圧の分類上「Ⅰ度高血圧」に該当し、この数値以上が「高血圧」と診断され、これ以降血圧の数値が高くなるほどリスクが高まるとされています。

以下は、日本高血圧学会「高血圧治療ガイドライン2014」に記載されている高血圧の診断に用いられる基準値の一覧表になります。

血圧分類 収縮期血圧 拡張期血圧
正常値 至適血圧 ~119 ~79
正常血圧 120~129 80~84
正常高値血圧 130~139 85~89
高血圧 Ⅰ度高血圧 140~159 90~99
Ⅱ度高血圧 160~179 100~109
Ⅲ度高血圧 180~ 110~

※ 血圧の正常値は至適血圧、正常血圧、正常高値血圧の3つを含めた、総称として使用されるのが一般的です。

研究機関の調査により、血圧は10mmHg程度下がるごとに、心筋梗塞や脳梗塞のリスクを10~20%程度、死亡率は10%以上も低下したという調査結果が報告されています。

また、脳梗塞や脳出血などの脳血管疾患について、血圧の正常値の中でも至適血圧のリスクは、Ⅰ度高血圧のリスクと比べても約30%程度、Ⅲ度高血圧のリスクと比べても約15%程度と、大きくリスクを低減できることが認められています。

血圧を正常値に近づけることは統計的にリスクを低減できると考えられます。また、この結果は年齢別で確認しても同じような傾向が見られます。

このように、血圧の正常値はあらゆる調査研究によって蓄積されたデータを基に、統計的にリスクが最も少なくなる数値だとされています。

年齢別の血圧正常値

1960年代に存在した血圧正常値の算出方法として、「最高血圧=年齢+90mmHg」という考え方がありました。

60歳であれば90mmHgを加算した150mmHgが血圧の正常値となるように、年齢によって血圧の正常値が変わるという考え方が一般的でした。

しかし、様々な調査研究によって全年齢で血圧が高いことは脳卒中や心臓病のリスクを高めることが明らかにされており、現在では後期高齢者を除く全年齢において140/90mmHg未満を血圧の正常値とする考え方が主流となっています。

年齢別の血圧正常値の割合

厚生労働省の2013年「国民健康・栄養調査」のデータを参考に、「年齢別の血圧正常値の割合」を一覧表にして掲載しました。収縮期血圧140mmHg未満で降圧剤の服用者は除外しています。

年齢 男性 女性
20代 91.4% 100%
30代 91.8% 96.8%
40代 85.8% 90.0%
50代 68.1% 83.4%
60代 56.0% 64.4%
70代 55.2% 56.9%

男性の血圧正常値について

男性で血圧正常値を維持している人は、50代では40代よりも約17%も減少しており、年齢別で見てもここが最も減少している年代になります。

男性は内臓脂肪がつきやすく女性は皮下脂肪がつきやすいといわれており、内臓脂肪の増加は血圧を上昇させるホルモンを活発にする働きがあります。

特に男性は中高年で内臓脂肪型肥満の割合が増加し、それが血圧の正常値に影響していると考えられます。

男性でも冷え性の人が増加するなど運動不足による筋力の低下、相対的に増える内臓脂肪により高血圧を発症するリスクが高まっています。

女性の血圧正常値について

女性は際立った大きな減少はありませんが、若い頃は血圧の正常値を維持しやすい傾向にあります。しかし、加齢とともに男性の数値に近づいていくという感じになっています。

女性は女性ホルモンの働きにより、女性ホルモンの分泌量が多い若い頃では血圧の正常値を維持しやすいのです。

しかし、女性ホルモンの分泌量が減少すると血圧の正常値を維持するのが難しくなるため、高齢になるほど数値が男性と同程度になっていくと考えられます。

近年では若年層においても、女性ホルモンの分泌量が低下している人が増加しているため、若いからといって油断はしないほうがいいでしょう。

高齢者の血圧正常値

高齢者の血圧正常値は前期高齢者で140/90mmHg未満(家庭血圧135/85mmHg未満)、後期高齢者で150/90mmHg未満(家庭血圧145/85mmHg未満)となります。

診察室血圧 収縮期血圧 拡張期血圧
前期高齢者 140mmHg未満 90mmHg未満
後期高齢者 150mmHg未満 90mmHg未満
家庭血圧 収縮期血圧 拡張期血圧
前期高齢者 135mmHg未満 85mmHg未満
後期高齢者 145mmHg未満 85mmHg未満

前期高齢者は65歳以上から75歳未満、後期高齢者は75歳以上の人で、後期高齢者は降圧剤による副作用などを考慮して、可能であれば140/90mmHg未満を目指すとされています。

血圧はできるだけ低く管理することが好ましいとされていますが、高齢者の場合は脳や心臓などの各臓器に、血流が行き届かなくなる可能性もあります。

血圧を過度に下げず適度な状態を維持することも考えなければいけないため、医師との打ち合わせによって降圧目標値を定めることが重要になります。

降圧剤の服用

高齢になるほど服用するだけで血圧コントロールが可能な降圧剤の利用は楽です。

しかし、降圧剤に限らず薬の服用には少なからず副作用があるため、あとあとのことを考えて頼りきりにならないことも大切です。

血圧を正常値に維持するためには、可能な限り薬に頼らず生活習慣の改善で行なっていくことがすすめられます。

家庭血圧の正常値

家庭血圧の正常値は135/85mmHg未満で、135/85mmHg以上は高血圧となります。

家庭で測定した血圧を「家庭血圧」、病院で測定した血圧を「診察室血圧」と呼びますが、これは血圧の性質にあわせて高血圧の診断を行うために必要な数値になります。

病院の検査で血圧が上がる?

家庭血圧の正常値を測定する理由は、血圧は精神状態によっても変化する性質があり、興奮状態、緊張状態によるストレスがかかると血圧が上昇するためです。

病院の診察では本人が自覚していなくても、緊張状態により血圧が上昇する白衣高血圧の可能性があるため、家庭血圧の数値が正常値かどうかを確認する必要があります。

病院で見抜けない隠れ高血圧?

病院の診察時は血圧が正常値でも、家庭血圧が高血圧となる仮面高血圧という高血圧もあり、家庭血圧の測定はこの仮面高血圧を見抜くためにも欠かせません。

特に仮面高血圧は慢性的な高血圧よりも脳卒中や心筋梗塞のリスクが高いとされているため、家庭血圧を測定する重要性は増しています。

白衣高血圧

白衣高血圧とは病院の診察時のみ血圧が高くなる高血圧です。

血圧の数値は精神の状態によっても変化し、精神が緊張状態になると交感神経が活性されて血圧が上昇します。

血圧が正常値の人よりも高い血圧によって、血管に負担がかかる時間が増加するため、心血管疾患のリスクが約1.2倍上昇するといわれています。

仮面高血圧

仮面高血圧は病院の診察時には逆に血圧が低くなり、病院以外の家庭や職場での血圧測定では高血圧となる状態のことです。

白衣高血圧とは逆の性質であり、健康診断でも発見できず本人も気付かないため対策が後手になることが多く、通常の高血圧よりも仮面高血圧のほうがリスクが高いと考えられています。

早朝高血圧

起床時から午前中の間に血圧が高くなる状態で、脳卒中や心筋梗塞の発症リスクの高さが早朝高血圧のこわいところです。

夜間高血圧

本来、体が休息状態になるため低下するはずの血圧が下がらない状態です。

糖尿病、腎臓病、睡眠時無呼吸症候群ともつながりがあり、脳血管疾患を発症するリスクが高くなるとことが報告されています。

職場高血圧

職場でのストレスが原因となり血圧が高くなる状態です。

職場高血圧は高血圧の原因となる生活習慣も関係してきますが、責任感、真面目、几帳面などの性格面も大きく影響すると考えられています。

妊婦の血圧正常値

妊娠中の妊婦の血圧管理も、危険なリスクを回避するために大切な健康管理のひとつです。妊婦の血圧正常値は140/90mmHg未満となりますので、規定値を超えないように血圧をコントロールしましょう。

妊娠中に高血圧を発症すると妊娠高血圧症候群と診断され、妊婦と胎児に危険な症状を引き起こす可能性が生じます。

血圧分類 収縮期血圧 拡張期血圧
妊娠高血圧 140mmHg以上 90mmHg以上

正常値への意識は合併症の予防にも?

血圧が高いという状態は病気によって引き起こされることも、病気の引き金になることもある症状です。

前者の場合はその病気が完治することで血圧を正常値にすることも可能になりますし、後者の場合は血圧を適度にコントロールすることによって、その病気の発症リスクを低減することが可能になるというわけです。

血圧は様々な病気の発症リスクとつながりをもっており、血圧を正常値に維持することが全ての病気を抑えるとまではいきませんが、多くの病気の発症リスクが低い状態であるというひとつの指標ともなります。

血圧の数値を意識することは健康管理への意識の高さ。

気を病むほどの管理は逆効果ですが、適度な健康状態を維持するためにも意識してみてはいかがでしょうか?

以下の一覧は合併症を併発している場合の血圧の目標値になります。

種別 診察室血圧 家庭血圧
糖尿病 130/80mmHg未満 125/75mmHg未満
慢性腎臓病 130/80mmHg未満 125/75mmHg未満
脳血管障害 140/90mmHg未満 135/85mmHg未満
冠動脈疾患 140/90mmHg未満 135/85mmHg未満

せっかくなので高血圧とつながりの深い病気をいくつか紹介しておきます。

動脈硬化

高血圧の代表的な合併症。

読んで字のごとく血管が柔軟性を失って硬くなる症状。血管内に脂肪が堆積するとこで狭くなることで血圧が高くなります。

症状が進行すると血管内の壁を傷つけてもろく破れやすい状態にするため、発症する箇所によっては命の危険をともなう場合もあります。

慢性腎臓病(CKD)

腎臓には体内の老廃物を濾過するという重要な働きがあります。

この濾過機能が正常に機能しなくなると、正常に機能させるため血圧を上昇させるという働きが体内にあり、この働きによって高血圧を併発するリスクが高まります。

腎臓の機能が正常化すれば血圧を高くする働きもなくなるため、腎臓機能の回復によって血圧を下げることができるというわけです。

糖尿病

一度発症すると完治不可能とされる病気。

いわゆる血液ドロドロと呼ばれる状態で、生活習慣を起因として発症することが多い病気です。ドロドロな血液を循環させるために血圧が高くなります。

血圧を正常値にするためには?

血圧を正常値にするためには?

血圧が正常値を超える人の多くは生活習慣が要因になっているといわれています。

生活習慣とは日常生活において習慣化していることで、食事、睡眠、運動、飲酒、喫煙、ストレスが大きく関係してきます。

「高血圧治療ガイドライン2014」に掲載されている項目を確認しておきましょう。

塩分の摂取量を制限する

ガイドラインに掲載されている塩分の摂取量は1日6g未満を推奨としています。

ちなみに、WHOが発表しているガイドラインでは1日5g未満を推奨としています。

2013年の「1日の塩分摂取量」は男性で約11g、女性で約9gとなっており、健康志向の高まりから塩分の摂取量は年々減少傾向にありますがそれでもまだ多いことがわかります。

塩分を摂取すると体内の血液量が増加して血圧が上昇します。

一時的な上昇なら問題ないでしょうが、塩分の摂取量が増えるほど、過剰摂取の頻度がふえるほど血管への負担が増大することを忘れてはいけません。

また、塩分の摂取で注意したいのが外食です。

外食でのすき焼き、カツ丼、豚肉のしょうが焼き、ラーメンなどは1食で6gを超えることが多く、焼き飯、焼きそば、カレーライスなども1食で3g以上の塩分を摂取しているといわれています。

まずは、塩分摂取量を推奨量を目標にして減らすようにしましょう。

肉を控えて野菜、果物、魚を食べる

肉類と魚類には同じ脂質でも性質の違う脂質が含まれています。

三大栄養素のひとつ「脂質」を大きく分けると「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」に分類され、飽和脂肪酸には中性脂肪やLDLコレステロールを増やす作用があり、牛肉、豚肉、バター、チーズなどに多く含まれています。

不飽和脂肪酸は魚(特にさんま、さば、いわしなどの青魚)に多く含まれており、HDLコレステロールを増やして中性脂肪やLDLコレステロールを減らす作用をもっています。

「肉を魚に置き換える」とよく言われるのは、この作用の違いが大きな理由となります。

また、不足しがちなビタミンやミネラル(特にカリウム)の摂取量は年々減少しており、これらの栄養成分が多く含まれる野菜や果物の摂取が血圧を正常値に近づける大切な役割をもっているのです。

減量、運動不足の解消

肥満や運動不足は高血圧の大きな要因となります。

肥満の診断基準となるBMI数値が25未満になるように減量することがすすめられており、BMIの計算式は「体重÷身長×身長」になります。

運動の項目には、心血管疾患のない高血圧患者で中程度の有酸素運動を毎日30分以上と記載されていますが、血圧の正常値を超える人は運動不足になっている人が多く、運動不足の人にいきなりの運動はなかなか困難なものになります。

軽度の有酸素運動であるウォーキングを、まずは1日10分程度からはじめて運動習慣を身につけ、それから徐々にペースを上げての速歩、スロージョギングとつなげていきましょう。

でないといきなり中程度の運動は正直嫌になりやすいです。

少しずつ体を慣らし心肺機能を高め余裕を持ってステップアップしていきましょう。

納得の検証結果がおすすめの理由!

リケン(理研ビタミン株式会社)のヘルスケア事業部長、農学博士の仲野隆久先生によると、収縮期血圧140~160mmHg、拡張期血圧90~100mmHg程度の18名を対象に「わかめペプチド」を8週間にわたり1日1個のペースで食べてもらった結果、約2週間目から血圧が安定し始めることが認められています。