高血圧とカリウム不足

高血圧対策に欠かせないミネラルの一種が「カリウム」。カリウムの摂取量が不足すると血圧が上昇する要因に?カリウムが豊富な食品を摂取して高血圧対策に役立てよう!

高血圧とカリウム不足

そもそもカリウムとは人体の生命維持活動において、必要不可欠な役割のあるミネラルの一種で、その多くは細胞内液に存在しています。

カリウムの役割には細胞の代謝、老廃物の排出、心臓や筋肉機能の調整、細胞内液の浸透圧を一定に維持する調節機能などがあります。

特に血圧と関係するのは、細胞内液の浸透圧を一定に保つ機能で、カリウムを適度に摂取することで、この機能を正常に作動できれば高血圧の予防になります。

不足することで高血圧のリスクが上昇しやすいほか、むくみ、けいれん、倦怠感、食欲不振などの症状もあらわれるようになります。

高血圧にカリウムが有効な理由とは?

体内にはミネラルの一種であるカリウムとナトリウムが存在し、これらが一定に保たれることで体内の機能が正常に作用しています。

通常、塩分を摂取すると体内のナトリウムの濃度が高くなるため、水分を血管内に送ることでナトリウム濃度を一定に保ちます。

しかし、送られた水分によって血管内の血液量が増大し、増大した血液を循環させるために血圧が上昇してしまいます。塩分を摂取することで血圧が上昇する仕組みには、こういった一連の流れがあります。

そして、体内のカリウムはナトリウムの吸収を調節し、余分なナトリウムを体外へ排出する働きがあり、この作用によってナトリウムが排出されれば、血液量も正常化して血圧も元に戻るのです。

カリウムの摂取量が不足すると、これらの調節機能が正常に作用せず、高血圧や動脈硬化を促進させる原因となってしまうため、カリウムは高血圧対策に欠かせない重要なミネラルとなるのです。

高血圧を予防するカリウムの摂取量

厚生労働省は「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で、カリウムの1日の摂取量目安は成人男性で2,500mg、成人女性で2,000mgとしており、目標値は成人男性で3,000mg以上、成人女性で2,600mg以上、また、高血圧予防のためには3,500mgを推奨としています。

しかし、国民健康・栄養調査で判明した日本人のカリウム摂取量は2009年で2,251mg、2010年で2,200mg、2011年で2,189mgと年々減少しているのです。

2011年段階のデータにおいても、高血圧対策のために推奨とされるカリウムの摂取量より、1,000mg以上も不足していることが明らかにされています。

カリウムの過剰摂取にも注意

通常、カリウムを過剰に摂取しても腎臓で処理されて、尿として体外へ排出し、体内のカリウム濃度が一定に維持されています。

しかし、腎臓の処理能力を超えてカリウムを摂取すると、カリウムを排出できずに体内に蓄積、血液中のカリウム濃度が急激に上昇することによって、高カリウム血症や腎機能障害を発症するリスクが高まります。

とはいえ、健常者で通常の食生活であれば、どんなに摂取しても過剰なほどの量に至ることはありませんし、多少の過剰摂取であれば腎臓がきっちり処理してくれるので問題ありません。

サプリメントなどの栄養補助食品による偏った栄養補給には注意が必要です。また、過剰な摂取でなくても、高血圧の症状が進行している場合にも注意が必要です。

高血圧は全身の血管に障害を起こす症状であり、毛細血管の塊である腎臓の糸球体(しきゅうたい)は、高血圧の影響を受けやすく腎臓病を併発しやすいのです。

腎臓病を併発すると腎臓の機能が低下しているため、カリウムの摂取量を制限しつつ高血圧の治療を行うため、症状の改善がより難しいものになってしまうのです。

カリウムが含まれる食品とは?

例えば成人男性でカリウムの1日摂取量目安(2,500mg)を満たすのであれば、カリウムが豊富なバナナだけでも1日に約7本ほども食べなければいけないことになります。しかし、当然ですがバナナだけなどの偏食は絶対おすすめしません。

全体の食事バランスを考えつつ効率よくカリウムの摂取量を増やすことが、高血圧の対策につながります。ちなみに、使い勝手の良い鰹節にもカリウムは豊富に含まれています。

  • 野菜ではほうれん草、枝豆、にら、こねぎ、春菊など
  • 芋類では里芋、さつまいも、じゃがいもなど
  • 果物ではアボカド、バナナ、キウイフルーツ、りんごなど
  • 海藻類では海苔、昆布、わかめなど
  • きのこ類ではしめじ、えのき、まいたけ、しいたけなど
  • 木の実類ではピーナッツ、アーモンド、くるみ、ごまなど

カリウムを効率よく摂取して高血圧対策!

高血圧対策に欠かせないカリウムの摂取。しかし、野菜や魚類などカリウムが多く含まれた、健康効果の高い食品の摂取量は年々減少傾向にあります。

そのため、カリウムをなるべく効率良く摂取するための豆知識を紹介したいと思います。

野菜をなるべく水にさらさない

カリウムは水溶性なので水に溶けやすい性質があります。そのため、野菜などで摂取するときは、なるべく水にさらさないように生で食べるのがおすすめです。

野菜を生で食べるのが苦手な人は、水にさらす時間をなるべく短くしたり、切断面が多いほど流出しやすいので、野菜を大きく切るなどの一工夫がポイントです。

また、鍋物にすればたくさんの野菜を食べることができ、残った汁をご飯などで締めるとカリウムを残さず摂取できることになります。

果物にもカリウムが豊富なものは多く、水にさらさずカリウムを減らさずに食べることができるというメリットがあります。

過剰摂取は糖質が気になりますが、程よく摂取することでカリウムの摂取量を増やすことができます。

味噌汁に野菜をたっぷり

誤解されていることが多いですが、味噌汁は適度の摂取で血圧を下げることが確認されており、野菜や海藻類など様々な具材をおいしく食べられるおすすめの方法のひとつなのです。

みそ自体にもカリウムが含まれていますし、鍋物と同様に水分で流出してしまったカリウムを残さず摂取することができます。

納得の検証結果がおすすめの理由!

リケン(理研ビタミン株式会社)のヘルスケア事業部長、農学博士の仲野隆久先生によると、収縮期血圧140~160mmHg、拡張期血圧90~100mmHg程度の18名を対象に「わかめペプチド」を8週間にわたり1日1個のペースで食べてもらった結果、約2週間目から血圧が安定し始めることが認められています。