脈圧は血圧の上下差でチェック

血圧の上下の差で算出される脈圧で、現段階の動脈硬化の進行状況が確認できる。脈圧の上昇、大動脈の機能低下、動脈硬化の進行を未然に予防しよう。

脈圧は血圧の上下差でチェック

脈圧とは?

脈圧とは収縮期血圧(血圧の上)と、拡張期血圧(血圧の下)の数値の差のことです。

脈圧の数値が高いということは心不全、虚血性疾患(心筋梗塞、狭心症)などの心臓病リスクの高さをあらわしているといわれています。

また、脈圧は太い血管である大動脈の硬さ(柔軟性)、つまりは動脈硬化の進行具合を知る指標になると考えられています。

脈圧の計算式

脈圧=収縮期血圧-拡張期血圧

脈圧は血圧の上下差で算出され、例えば正常高値血圧の130/85mmHgの場合であれば脈圧は45mmHgとなり、高血圧と診断される140/90mmHgで脈圧は50mmHgとなります。

脈圧の正常値とは?

この数値に正式なガイドラインの記載はありませんが、脈圧の正常値は30~50mmHg未満の数値を理想としているようです。

脈圧は数値が低ければいいというものでもなく、下限値は30mmHg程度を目安にするのが良いとされています。

また、脈圧の上は50mmHg程度を境に有意にリスクが高くなることが明らかにされているため、上の数値は50mmHg程度を目安にするようにしましょう。

例えば、高血圧の予備軍とも考えられている拡張期血圧のみが高い場合では、収縮期血圧が130mmHg程度であっても拡張期血圧が100mmHgまで達していれば、脈圧は30mmHgとなるため、正常範囲ではあるものの拡張期血圧の数値に注意しなければいけないと考えることができます。

また、脈圧60mmHg以上で心血管疾患での死亡リスクが有意に高まるとの報告もあります。

これも例えになりますが、Ⅱ度高血圧にあたる160/100mmHgでの脈圧はちょうど脈圧が60mmHgとなるため、個人差の有無があるにしても警戒しておきたい数値になります。

脈圧が大きい原因とは?

脈圧が大きい原因とは?

脈圧の数値が大きくなる原因には様々な要因が考えられますが、ここでは特に高血圧と関係の深い要因についてふれたいと思います。

生活習慣と関係の深い要因

高血圧の大きな危険因子ともいわれている生活習慣の乱れ、その中でも塩分の過剰摂取は血液の塩分濃度調節のために血液量が増大します。また、慢性的なストレスは交感神経の活性により血管の収縮が起こり心拍数が増えます。

これらの要因によって心臓から送り出される血液量が増加するため、特に収縮期血圧の数値が上昇しやすく脈圧の数値が大きくなる要因になります。

こういった要因は一時的であれば問題ありませんが、長期的に繰り返すことで血管の機能はどんどん失われ徐々に慢性的な高血圧へと進行していくのです。

大動脈の機能低下

脈圧の数値が大きくなる原因には大動脈の弾力性が失われること、つまり大動脈での動脈硬化が進行しているということが考えられます。

これにより大動脈がもつ「ふいご機能」の低下が起こるのです。

大動脈のふいご機能とは、ポンプ機能をもつ心臓が収縮すると、血液が圧力によって大動脈を通して全身に送り出されます。このとき大動脈が広がり(伸びる)心臓の収縮機能によって送り出された血液の一部を一時的に蓄えます。

心臓が拡張して大動脈が収縮する時に、一時的に蓄えていた血液が送り出され、心臓の拡張期においても血液が全身にある程度供給されている状態をつくりだしているのです。この仕組みを大動脈のふいご機能と呼びます。

大動脈が動脈硬化によって柔軟性を失い血管が硬くなると、大動脈のふいご機能によって蓄えることのできる血液量が減少し、心臓の拡張期に血管にかかる圧力が低下する状態、つまり脈圧の数値が大きくなるという状態になるのです。

統計的に年齢が50歳以降で脈圧の上昇が顕著になるとされています。

動脈硬化による悪循環

一般的に動脈硬化は「アテローム性動脈硬化症」をさしている場合がほとんどです。

アテローム性動脈硬化症は血管の壁にプラーク(隆起したかたまり)が形成される症状で、これにより血液の通り道が狭くなる狭窄が起こり、血流を維持するために血圧が上昇します。

血圧の上昇は血管内皮(血管の内側の壁)を傷つけ血管の正常な機能を低下、これもまた動脈硬化を進行させる要因となり、高血圧と動脈硬化の悪循環が生じます。

高齢になるほど血管年齢も上昇しやすくこのような悪循環が起こりやすいのです。50歳以降で脈圧の数値が上昇するのはこうしたことも原因のひとつとされています。

脈圧が小さい原因とは?

脈圧の数値が小さくなる主な原因は、大動脈の動脈硬化はまだあまり進行しておらず柔軟性が維持されていますが、「末梢血管抵抗」が増加したことで起こるとされています。

末梢血管抵抗とは細動脈や毛細血管の総称でつまりは細い血管をさしています。

この血管で動脈硬化が進行すると、心臓の拡張期に大動脈のふいご機能によって送り出された血液は、細い血管の抵抗が高いため血圧を上昇させて血液を正常に供給しようとするのです。

血圧は主に心拍出量(心臓が送り出す血液)と末梢血管抵抗によって決められます。

心拍出量は主に収縮期血圧の数値と関係し、末梢血管抵抗は拡張期血圧と関係しており、末梢血管抵抗は末梢血管での動脈硬化の進行、血管の収縮機能、血液の粘度などによって変化することが明らかになっています。

脈圧と平均血圧で動脈硬化を知る?

つまり、脈圧が小さくても平均血圧が高ければ、現段階では太い血管の柔軟性が認められるが、将来的に動脈硬化が進行する可能性があるので血圧の下を目安に治療を行うといった感じになるのです。

  • 脈圧は太い血管の柔軟性や現段階での動脈硬化の進行度合いを示す。
  • 平均血圧は細い血管の柔軟性や将来的な動脈硬化の進行度合いを示す。

収縮期血圧、拡張期血圧の管理とともに脈圧や平均血圧を管理して、血圧の変化に注意しておきましょう。脈圧の数値が大きくなってきた時は血圧を下げる方法などを参考にして、動脈硬化の進行を予防しましょう。

納得の検証結果がおすすめの理由!

リケン(理研ビタミン株式会社)のヘルスケア事業部長、農学博士の仲野隆久先生によると、収縮期血圧140~160mmHg、拡張期血圧90~100mmHg程度の18名を対象に「わかめペプチド」を8週間にわたり1日1個のペースで食べてもらった結果、約2週間目から血圧が安定し始めることが認められています。