ストレスと血圧の関係

血圧上昇の要因となるストレスの仕組みとは?ストレス上昇を招く環境が高血圧、脳卒中、心臓病のリスクを高めることが明らかに。

ストレスと血圧の関係

ストレスによって血圧が上昇するのは、2つの経路を通じてホルモンの分泌が起こり、これらのホルモンの作用によって血圧が上昇するのです。

1つ目の経路はストレスの発生を大脳皮質で感知、視床下部への伝達、交感神経の亢進、副腎髄質からカテコールアミンの分泌という経路です。

2つ目の経路はストレスの発生を大脳皮質で感知、視床下部への伝達、下垂体から副腎皮質に作用してコルチゾールの分泌という経路です。

心拍数、血圧、血糖、体温を上昇させ、運動機能を高めることでストレスに対応し、身を守ってくれる働きになります。

ストレスによるホルモン分泌と血圧上昇

カテコールアミン(カテコラミン)はアドレナリン、ノルアドレナリン、ドーパミンといった物質の総称。戦闘態勢や逃避態勢をとるためのホルモンで、闘争ホルモンとも呼ばれています。

ストレスによって血圧を上昇させる作用をもつホルモンには、アドレナリン、ノルアドレナリン、コルチゾールがあり、これらのホルモンには以下のような特徴や作用があります。

アドレナリンとは?

アドレナリンは興奮ホルモンとも呼ばれており、意欲、緊張、恐怖、怒り、悲しみなどに関係します。

スポーツとの関連でよくアドレナリンという言葉を耳にしたことがあると思いますが、分かりやすく言うと火事場の馬鹿力みたいなもので、様々な要因により受けたプレッシャーによって、思いもよらない力が出るといったその時にアドレナリンは分泌されています。

神経伝達物質の一種で、副腎髄質のみから分泌され、ノルアドレナリンが分泌されることで分泌される物質です。血管収縮作用と末梢血管抵抗の低下が同時に起こるため血圧の上昇は小さいです。

ノルアドレナリンとは?

ノルアドレナリンもアドレナリンと同様に興奮ホルモンと呼ばれており、アドレナリンは感情の高まりで精神面、ノルアドレナリンは運動能力の高まりで肉体面に作用します。

神経伝達物資の一種で、副腎髄質からも分泌されますが、その多くは脳内と交感神経の末端から分泌されます。アドレナリンよりも血管収縮作用による血圧の上昇が大きい物質です。

コルチゾールとは?

コルチゾールは糖質ステロイドホルモンの一種で、ストレスから守ってくれる作用をもつため抗ストレスホルモンとも呼ばれています。

血圧の調節機能をもっており、ストレスを受けると副腎皮質から分泌され、血圧、血糖、体温を上昇させて運動機能を高める役割があります。

コルチゾールは起床後にも分泌量が増加し、体を動かしやすい状態にしてくれます。しかし、慢性的な高血圧と起床後の血圧上昇などが重複することで、早朝高血圧を発症するリスクも高まるため注意が必要です。

ストレスによる高血圧の原因にもなっていますが、コルチゾールは三大栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂質)の代謝、免疫システムにも深く関係しており、生命活動に欠かせないホルモンなのです。

慢性的なストレスが高血圧のリスクに

自律神経、ノルアドレナリン、ドーパミンは「セロトニン」という物質によってバランス維持や調節をされており、慢性的なストレスにより交感神経(自律神経)の活性、カテコールアミン(ノルアドレナリンやドーパミン)の過剰分泌によりセロトニンはどんどん消費され不足します。

セロトニンが不足した状態でストレスを受けると自律神経に乱れが生じ、交感神経の活性、カテコールアミンの過剰分泌が増大することで高血圧の原因となるのです。

セロトニンとは?

セロトニンは幸せホルモンとも呼ばれており、幸福感、精神安定などに関係します。

神経伝達物質の一種で、自律神経のバランスの維持、ノルアドレナリンやドーパミンの分泌量を調節する働きがあります。

脳内と腸でも分泌されており、昼間に分泌量が増加して夜には分泌量が減少、また、セロトニンは睡眠ホルモンと呼ばれる「メラトニン」の材料にもなります。

セロトニンの不足はストレスと睡眠不足(睡眠の質の低下)を招く要因となり、この2つの要因は高血圧の危険因子でもあるため、セロトニンの不足には注意が必要です。

自律神経とは?

体の機能をコントロールしている神経で、交感神経と副交感神経の2本を司っているのが自律神経です。

身体の活動、緊張状態、ストレスなどにより優位になるのが交感神経、休息、睡眠、リラックスなどにより優位になるのが副交感神経です。

交感神経が優位になれば血管の収縮作用により血圧が上昇し、副交感神経が優位になれば血管の拡張作用により血圧が下がります。

最初に説明したストレスによる血圧上昇のメカニズムの通り、交感神経が優位になることで血圧が上昇するのは、カテコールアミンが分泌されることによります。

そして、ストレスによって自律神経の働きが乱れると睡眠など休息が必要な時間でも交感神経が優位となり、血圧の上昇、休息できない、睡眠の質の低下、血管への負担増大などにより高血圧のリスクが増大するため、高血圧とストレスと自律神経には深い関係があるのです。

慢性的なストレスによる高血圧の対策に!

ストレスによってどんどん減少するセロトニン。セロトニンが不足する事態に陥る前にセロトニンを増やすようにしましょう。

セロトニンを生成するために必要な材料を「トリプトファン」といい、トリプトファンは体内で生成されないため食事によって摂取する必要があります。

高血圧対策食品としておすすめしている食品ですと、バナナ、豆腐、納豆、ヨーグルト、くるみなどがあります。

トリプトファンの摂取量を意識することで、ストレスや睡眠不足の対策につながり、それらを危険因子とする高血圧の対策につながります。

セロトニンは生活習慣とも密接な関係があるため、以下のことに注意してセロトニンの低下に気をつけましょう。

規則正しい生活習慣

セロトニンは昼間に分泌量が増加しますが、それは体内時計と連動しているためです。

乱れた生活習慣によって体内時計が乱れてしまうと、セロトニンの分泌がうまく活性されなくなり、セロトニンが不足する要因となります。

腸内環境の改善

セロトニンの生成は脳内だけではなく腸でも生成されており、実は生成量は腸のほうが多いのです。

当然、腸内環境が悪くなることでセロトニンの分泌量は低下します。生活習慣の乱れは腸内環境を悪化させやすく、高血圧の大きな要因ともなるため注意しましょう。

ストレスによる血圧上昇と男女の違い

女性はストレスに強いとよく言われていますが、女性は男性よりもセロトニンの生成能力が低く、総量は男性の約50%程度しかありません。

さらに、ストレスによるコルチゾールの分泌量は男性よりも多く、さらに生成時間も長いということが明らかにされています。

しかし、女性ホルモンの一種である「エストロゲン」には、ストレスによる脳への影響を阻害する働きがあるため、女性はストレスに耐えることができるといわれているのです。

女性は50代になると閉経によって女性ホルモンが減少し、ストレスへの耐性が弱まることで自律神経失調症、更年期障害などを発症するリスクが高まり、高血圧の発症リスクは40代の約2倍ほどになっています。

女性は確かにストレスに強いですが、いつまでもストレスに強い状態が続くというわけではないので、閉経後は高血圧対策としてセロトニンを増やす対策が必要なようです。

納得の検証結果がおすすめの理由!

リケン(理研ビタミン株式会社)のヘルスケア事業部長、農学博士の仲野隆久先生によると、収縮期血圧140~160mmHg、拡張期血圧90~100mmHg程度の18名を対象に「わかめペプチド」を8週間にわたり1日1個のペースで食べてもらった結果、約2週間目から血圧が安定し始めることが認められています。